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2016年7月16日土曜日

思考の倉庫から工場へ。時代は創造力を求めている|思考の整理学のたとえ話


『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


こんにちは、ヒデヨシ(@hideyoshiy)です。

『思考の整理学』(外山滋比古 著、筑摩書房)は1986年に第一刷が発行され、刊行30年経った2016現在、200万部を超える大ベストセラー本で時代を超えたバイブルとして今も多くの人から愛されている一冊です。



本書には数えきれないほどのたとえ話が使われています。

それぞれが学び深いものばかりであるため、たとえ話が上手くなるブログとして「思考の整理学のたとえ話」をシリーズ化することにしました。

(『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


今回は本書より、「記憶は工場と倉庫のようなもの」というたとえ話を紹介します。



脳は「記憶の倉庫」



これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものがつまっていればいるほど結構だとなる。
(P.111)


一昔前までは、人間の頭脳は倉庫のようなものだと著者はたとえています。

頭の良い人は記憶力がいいですよね。色々なことを知っていて(覚えていて)いつでも引き出せるようになっています。


せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしてはことだから、忘れるな、が合い言葉になる。ときどき在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである。
(P.111)


テストを倉庫の在庫チェックにたとえるのは面白い表現です。

著者の言うとおり、つめ込み教育でつめ込んだ在庫がなくならないように、確認するのがテストです。

学校教育はその記憶力をためすものでした。教育したことについてテストを行い記憶を確認して、忘れないようにしていました。

受験勉強など、テストは記憶力勝負。そこには創造性はありません。



記憶の「倉庫」から「工場」へ



昔とちがって、現代ではコンピューターが普及しています。

ことば、写真、動画、記憶の多くをコンピューター上に、インターネット上に保存できる時代です。

わからないことも検索すればすぐに知りたいことが出てきます。そうなると、頭を倉庫として使わずに、もう覚えていなくてもいいんじゃないかという発想になります。


コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。(中略)そこでようやく創造的人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
(P.111)


人間の脳は記憶の「倉庫」ではなく、人間として何かを創り出す「工場」である必要がでてきたのです。



まずは「倉庫」を「工場」へと整理する



「倉庫」の役割は蓄積させておくこと、整理して必要なものを引き出しやすくすることです。

「工場」の役割は創造すること、何かを創り出すことです。

まずは倉庫を工場化する必要があります。そのためにも工場生産の基本「5S」が活用できます。


5Sとは、以下の5つのことを言います。

整理:
いらないものを捨てる

整頓:
物の場所を決め、いつでも使用可能にする

清掃:
常に掃除をして、環境を清潔に保つ

清潔:
整理、整頓、清掃を維持する

しつけ:
ルールや手順を正しく守る習慣付けをする


思考にもこの5Sを適用させることができます。

整理:
オンラインストレージサービスを利用して整理

整頓:
ファイリング、タグ付けなどで検索性を高める

清掃:
不要データは処分

清潔:
整理、整頓、清掃を維持する

しつけ:
ルールや手順を正しく守る習慣付けをする


たとえば「Googleドライブ」「Googleフォト」「Youtube」「Evernote」「Dropbox」など、オンラインストレージサービスは巷にあふれています。

記憶を記録する。

これによって脳にキャパシティが生まれます。

今の時代は、記憶・記録の役割をインターネットやコンピュータなどのテクノロジーが担い、創作するためのアイデアを人間が担うという役割が明確になっています。

今のタイミングで私たちができることは、いかにして創作的に、「工場」になるかということです。

早いうちから思考を整理して、創作に慣れておくことが求められています。



創造的な活動をしよう



倉庫の役割はテクノロジーに任せましたので、工場になる準備は整いました。

では、何をつくればいいか、空いたキャパシティを使ってどんな工場になればいいのでしょうか。

答えは、オーダーメイドの特注品をつくることができる工場になろう、創作物をつくることです。

たとえば、文章、絵画、料理、農業、畜産など形をなすものもあれば、ボランディア活動、サプライズ企画、プレゼンテーション、セミナーなどの無形物も創作物です。

あなたに何か得意なこと、好きなことがあるはずです。

今からでもそれを何らかの形でアウトプットして、伸ばして、「創り出せる能力」を身につけましょう。



自分で「創れる」ことは強みになる



今後の社会は「コグニティブ・コンピューティング」化が進みます。コグニティブ・コンピューティングとは、簡単に言うと人工知能とロボットの発達です。iPhoneの「Siri」なんかは良い例ですね。

高性能な人工知能やロボットによる作業の自動化により、雇用機会はどんどん減ります。


(参考文献)オックスフォード大学のオズボーン氏の論文

THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?(http://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf


日本は少子化も進み、働き手も減る一方です。そんな時代に、手に職、自分で何かをつくりだせることは大きな自信になります。

今後の将来を安定させたいなら、自分で創り出す力が必要です。

副業まではいかなくとも、創作活動のための空いた時間をつくってみてください。

自分の将来のために、必ず役立ちます。



まとめ



・記憶、記録はインターネットサービスを活用して脳のキャパシティを増やそう

・「5S」で思考の倉庫から工場になろう

・積極的に創作活動の時間をつくって、創ろう



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


Photo by ILO in Asia and the Pacific / flickr





『思考の整理学』たとえ話シリーズリンク集はこちら


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