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2015年10月24日土曜日

リレーで学ぶ、チームの生産性を下げるまさかの常識3つ|TED|


目次


・生産性を下げる3種の神器
・負けるリレーチームのつくり方
・勝てる仕事チームのつくり方
・組織のあり方を学べるリレーのたとえ話
・まとめ


こんにちは、ヒデヨシです。

あなたの所属している組織にはルールがありますか?そのルールにウンザリすることはありませんか?


多くのルールが存在するとストレスを感じ生産性が下がってしまいます。あなたも感じたことがあるでしょう。関連部署に仕事の依頼をするためルールに則って申請書をつくったり、報告書を提出したり、手続きの時間にイライラしたり。


なぜこんなストレスの溜まる状況になってしまったのか。それは組織が複雑になりすぎたため決まり事を作らないと管理できなくなってしまうためです。


BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のコンサルタントであるYves Morieux(イブ・モリュー)は
「ルールが多すぎると仕事は捗らない」と組織のあり方について主張しています。


今回はYves MorieuxのTEDカンファレンスから、400mトラックを4人でつなぐ4x100mリレーのたとえ話を通して、チームのパフォーマンスを下げてしまう3つの常識と柔軟性のある組織のつくり方を学んでいきましょう。


スピーカー:Yves Morieux(イブ・モリュー)

タイトル:How too many rules at work keep you from getting things done「ルールが多すぎると仕事は捗らない」




生産性を下げる3種の神器



Yves Morieuxの言う生産性を下げてしまう3種の神器とは「数値化」「明確さ」「責任の所在」です。意外でしたか?これらは組織運営でごくあたりまえに必要とされていますが、仕事範囲や役割をはっきりさせることの一体何がいけないのでしょうか。




負けるリレーチームのつくり方



Yves Morieuxは生産性を下げる3種の神器である「数値化」「明確さ」「責任の所在」を、4x100mリレー競走にたとえてそれぞれの何がいけないのか説明しています。


・数値化

リレーなんだから足が速ければいいですよね。タイムではっきりとランナーを決めてしまいましょう。たとえバトンの渡し方が悪くても、声を出さず助走のタイミングを合わせにくくてもいいじゃないですか。足が速ければ。速いランナーの集団はタイムが速いに決まっています。

・明確さ
役割をはっきりさせることは大切です。100m走ると決められているなら、100mきっかり走ればいいだけです。バトンを渡すメンバーがたとえば助走で101mのところにいても100m地点に置けばいいじゃないですか。何が悪いのでしょう。100mもバトンを運んだんですからお役目ご免です。

・責任の所在

もしバトンを渡せなかったなら誰の責任になるのでしょう。100m走ることを全うした自分が悪いのでしょうか。いやいや、バトンを渡す相手が先に行っているのが悪いに決まっています。いっそのこと「バトンを渡す専門」のランナーをつくって、ランナーとランナーの間でそいつが確実にバトンをつなげば責任がはっきりしますね。これで一安心です。


タイムの速い人が選手になり、走る距離をはっきりさせ、誰が悪いのかがわかるチーム。実にシンプルですね。


しかしながらお察しのとおり、このチームでは勝つことはできません。なぜなら勝つためではなく「負けたときの責任逃れチーム」になってしまっているからです。


責任の所在をはっきりさせて自分は難を逃れる、私たちの働く環境に似ていませんか?



勝てる仕事チームのつくり方



勝てるチームをつくるには何が必要なのか、改めて振り返ってみましょう。


「数値化」ではタイムだけで選手を選んでいました。もちろんタイムが速いことは大前提ですが、バトンパスは勝負が決まってしまうほど重要なパートです。声をあげて激励し、バトンをスムーズに渡せる数値では測れない強みを持った選手がいれば、全員の合計タイムよりも早くゴールすることができます。


仕事でも数値のみではなく、数値で測れない個人の良い部分や得意な役割にも目を向ける必要があります。



「明確さ」では走る距離をはっきりさせていましたがこれは目的を見失っています。「1番でゴールする」ことが最終目的のはずですから、バトンを運ぶことに満足してしまうのは、仕事のプロジェクトを完成させるのではなく自分の仕事ぶりに陶酔するようなものです。


自分の担当だけではなくその前後の引き継ぎまで意識することがスムーズにゴールへ向かう方法です。



「責任の所在」では責任を押し付け合っていましたが、結局バトンパスが失敗してしまうのはチーム内での協力ができていなかったからです。バトンを渡しやすく走ろう、バトンを受け取りやすく走ろうといったお互いのことを意識したチームワークは欠かせません。


「One for all. All for one.(一人は皆のために、皆は一人のために)」を意識して責任も全員で共有し、ミスが起こりにくく、ミスしても心強いチームづくりを目指しましょう。



仕事では責任をはっきりさせるのではなく、むしろ曖昧にして関連部署同士の垣根を超えた協力体制をつくろう、そうすることでビジネスを加速させることができるとYves Morieuxは言います。


負けるためのチームを見直して、勝つためのチームになりましょう。



組織のあり方を学べるリレーのたとえ話



Yves Morieuxが組織のあり方を説明するものとしてリレーでたとえたのは、身近なスポーツであると同時に、組織の良いところと悪いところをわかりやすく表現できるからです。


リレーでは走者が多くなるほどバトンパスの回数も増えるので前が詰まってしまいます。仕事の組織も同じで、橋渡し部署や手続きが多ければそれだけルールや作業が多くなりミスが増え、スピード感も失われますね。大きな組織の特徴を上手く表したたとえ話です。

また、プレゼンではランナーの合計タイムがどの対戦チームよりも速いのに負けてしまうたとえ話として、実際の陸上世界大会の試合も紹介されています。実例を引き合いに出すことは説得力が増すので効果的ですが、そのためには自分が伝えたい条件にあった実例を見つけ出す「リサーチ力」も必要になってきます。

今回は「個人タイムの合計が最速でもチームワークで負けてしまうリレーの大会」という条件の試合を探し出す必要がありました。これだけ条件が限られると実例を探すのは結構大変です。

労力はかかりますが、理解を促せて相手の記憶に残るたとえ話にするためには不可欠なステップです。面倒だと思わずに地道にリサーチを続けましょう。



まとめ



・生産性を下げる3種の神器は「数値化」「明確さ」「責任の所在」

・曖昧さを意識して組織同士の垣根を超えたチームワークを目指そう

・リサーチによって自分の伝えたい条件にマッチする事例を見つけよう


組織運営でメンバーのミスが減らないようなら、ルールを追加するのではなく原因を特定してミスが起こらないような仕組みにするべきでしょう。仕事の進め方を見直せるいいプレゼンでした。


以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。

ヒデヨシ


Photo by Steven Pisano via flickr


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