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2014年10月13日月曜日

「クモ」でたとえるシンプルだが強力な恐怖克服法|TED|Chris Hadfield|スーパープレゼンテーション

photo credit: TED Conference via photopin cc

こんにちは、ヒデヨシです。



あなたの人生の中で一番怖かった体験は何ですか?


宇宙飛行士であるChris Hadfield(クリス・ハドフィールド)氏は、宇宙で船外作業中に突然両目が見えなくなってしまったことが最も怖かったと話します。宇宙空間で目が見えなくなるなんて、真っ暗な中上下左右もわからず、普通の人ならすぐにパニックに陥るでしょう。


しかし、宇宙空間で突然両目が見えなくなったという恐ろしい状況でも、決してパニックにはならず冷静にその場を乗り越えました。死ぬかもしれない状況にもかかわらず、なぜ冷静でいられたのでしょうか。


ハドフィールド氏はTEDカンファレンスにて、シンプルだが強力な恐怖の克服法「クモ」にたとえて説明してくれますので紹介します。




スピーカー:Chris Hadfield(クリス・ハドフィールド)

タイトル :What I learned from going blind in space「宇宙で目が見えなくなり学んだ事は」






「怖いもの」=「危険なもの」ではない


「恐怖と危険はまったくの別物だ」とハドフィールド氏は言います。私たちはしばしば「怖いもの=危険」ととらえてしまいますが、怖いと思っているだけで実際に危険ではないものは多く存在します。


たとえばお餅はお年寄りにとってのどを詰まらせる怖い存在ではありますが、決して危険なものではありません(むしろ美味しい)。真夜中の理科室は、人体模型やホルマリン漬けは怖いですが、決して危険なところではないはずです。


私たちは危険ではないものを怖いというだけで、イメージにより危険だと思い込んでしまっているのです。




「クモ」本当に危険な生き物なのか?



photo credit: Bill & Mark Bell via photopin cc 

ハドフィールド氏はプレゼンの中で、私たちに身近な「クモ」でたとえて恐怖についてわかりやすく説明してくれます。


世界にはおよそ5万種のクモが生息していますが毒をもったものは実はたったの24種類ほどなのだそうです。


クモを怖がる人はたくさんいます。クモが怖い理由は気持ち悪いとか毒を持っていそうだからです。しかし本当に危険な毒を持ったクモは、実は日本にいる1200種ほどの内たった1、2種類ほどしかいません。[1]


かの有名なタランチュラは、体が大きく映画などで毒グモとして登場するため誤解が広がっただけであり、毒自体は実は大したことないのです。


日本にも生息している毒グモのセアカゴケグモ(写真)には「背中の危険マークをみて!私は毒グモ!」といっているかのように、毒を持っていることがわかりやすく、地面付近に生息しており、網状の「いわゆるクモの巣」もつくらないため、歩いててぶつかることはまず無いそうです。


世界的に見ても危険な毒グモは極めて少ないのですから、もしクモの巣に突っ込んでしまっても慌てることはありません。あなたが座っているソファーの上にクモがいたとしても、そのクモは本当に危険な毒グモであることはまずありませんから、慌てて払いのけるような原始的なパニックに陥る必要はないのです。




シンプルだが強力な恐怖の克服法


巷で見かけるクモが危険ではないとはいっても、怖いものは怖いですよね。ではどうすれば恐怖を克服できるのか、その方法は「恐怖にあえて突っ込む」ことです。クモでたとえると、クモの巣にあえて突っ込むことで恐怖を克服するということです。


クモの巣なんて、ふわふわしたわたあめのようなものに過ぎません。そこにいるクモも危険なものではないですから何も怖がることはないのです。100回もクモの巣に突っ込めばどんな人でも恐怖に慣れてしまい、ビクッとするような反射行動もしなくなるとハドフィールド氏は断言しています。


「慣れって怖いね。」の言葉のとおり、恐怖を克服するには恐怖を習慣的に体験して慣れてしまえばよいのです。


宇宙飛行士は起こりうるすべてのトラブルを想定してトレーニングを重ねています。順調なときはもちろん、異常事態の練習も常に行い準備をしているため、たとえ宇宙で目が見えなくなっても冷静でいられたのです。


私たちの身近な例では就活や婚活の面談があります。人との会話が苦手でも、繰り返し相手と話すことによって対話に慣れ、恐怖や不安を感じずにコミュニケーションを図ることができます。ディベートであれば、想定される質問に対する答えを準備し、何度も練習を重ねて心構えをつくり準備を整えます。


「嫌な予感がする」という曖昧な恐怖感に縛られず、怖いと感じること(見た目が危なそう!)と実際の危険(でも実は毒がない)との違いに目を向けることで、苦手なものに対する反応を根本的に変えることができるのです。




まとめ


・人はイメージで危険でないものを危険と決めつけてしまう


・本当に危険なものは実は少ない


・怖いものにはあえて立ち向かって慣れてしまおう!



今の時代、嫌なことばかりかもしれません。しかし、嫌なことは自分が決めつけているものです。嫌なことから逃げずに、あえて突っ込んで慣れてしまうことで自分の気持ちを変えることはできるはずです。


この恐怖克服法によって、私たちは行動に対する怖さではなく「行動しないことの怖さ」にも気づくことができます。今まで避けてきたものから目をそらさずに、あえてむかっていくことで自分の可能性を広げることができます。


「恐怖にはあえて突っ込む」。今後の参考にさせていただきましょう。




本ブログの記事『宇宙旅行を体験できる20のたとえ話』では、同プレゼンテーションにてハドフィールド氏が用いた20のたとえ話を紹介しています。興味の有る方は是非ご覧ください。


また、宇宙関連の記事『実は同じ!?恋愛・浮気・不倫の原理とビッグバン』では、宇宙をスクランブルエッグにたとえて面白く表現しているTEDスピーチを紹介しています。宇宙が好きなかたにはおすすめです。



以上、最後まで読んでくださりありがとうございました。



ヒデヨシ




【参考】

[1] OUTDOR HOBBIES|日本の蜘蛛の種類
(http://outdoor.ymnext.com/inform-02.html)


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